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視覚障害者支援訴え 広島でネパールの窮状報告 '02/5/18


 ネパールの視覚障害者の現状と現地の非政府組織(NGO)活動を知るための講座が十七日夜、広島市中区のひろしま国際センターであった。カトマンズの点字図書館を支援する「ネパールの視覚障害者を支える会」(千葉県柏市)の渥美資子会長(50)と、ネパール人スタッフが講演した。

 特定非営利活動法人(NPO法人)の国際協力アカデミーひろしま(AICAT)の主催。ネパール唯一の点字図書館の職員で全盲のプラビン・グワッチャさん(26)が「政府の支援は全くなく、点字の教材もすべて他国のNGOに頼っている。図書館も閉鎖の危機にある」と訴えた。

  渥美さんはネパールの人々の暮らしぶりをスライドで紹介しながら、医療体制が整わないために失明者の発生が多い現状や現地での日本のNGO活動について報告。「世界経済の落ち込みが発展途上国を苦しめている。まず現状を知ってほしい」と支援を呼び掛けている。AICAT電話082(224)3232。

【写真説明】講演会でネパールの現状を報告する渥美さん(右)とグワッチャさん