AICATホンジュラス支部からの活動報告 -1-

☆サイト調査(写真1)

10月★日

 10月7日に着任してから、プロジェクト・サイトとニーズを調査しています。この写真は首都テグシガルパから車で3時間くらい行ったところにある田舎の小学校です。主要幹線道路から横道に入ってから、まだかなぁ?って思っていると、家もあまり見当たらなくなり、舗装されていないデコボコ道がずっと続きました。と、小さな村に入ったかと思うと、小学校が暑い日ざしの下、緑の木々が風でそよぐ中に建っていました。ここは、クラスが一つで先生も一人、生徒も30人ほどでした。

 生徒に囲まれ、髪を引っ張られ、べたべた触られながら、写真1皆汗だくになっているのにくっつい来て楽しそうに一緒に遊んでいました。黒板に名前を書いてもらったり、簡単な折り紙を教えたり、木陰で国歌を歌ってもらったり・・・ラテンというイメージとは裏腹に、子供たちはシャイなので、歌といっても、国歌くらいしか皆で一緒に歌えません。踊りもあまり好きではないようです。他の町中にある小学校でも同じでした。

 しかし、どこへ行っても、素直で笑顔のかわいい子供たちは天使のようです!!!

 今は、雨季真っ只中です。2年前に史上4番目に大きかったハリケーン・ミッチがホンデュラスを襲って痛ましい大被害をもたらしたのも10月です。あれ以来、気候がおかしいというか、雨の降り方が尋常ではないとも言われています。昨夕も突然の嵐の中、倍の時間をかけて車で帰宅しましたが、前が見えず、とても怖かったです。

☆プロジェクト実施可能性第一次調査(写真2)

 10月に赴任してから、首都テグシガルパ近郊と周辺県を中心に、学校、コミュニティ、役写真2所などを訪問し、聞き取り調査をしました。

 調査対象地区のニーズをまとめると、
(1)青少年、小学校教員を主な対象としたコンピュータ研修
(2)コミュニティの女性を対象とした職業訓練
   (手工芸・裁縫、パン作り・料理など)
(3)就学前教育(幼稚園)
(4)過疎村全体の村おこし
以上4タイプのプロジェクト実施について可能性が考えられます。

  中でも、AICATホンデュラスの初動プロジェクトとして、コンピュータ巡回研修を検討しています。理由は、青少年の職業訓練と初等教育における情報教育導入に向けて教員からのニーズが高いためです。

☆ホンデュラスの通信事情

10月◆日

 昨日は、AICAT本部へE-mailを送るだけで、1時間くらいかかってしまいました。こちらは、電圧も電話回線も安定していないので、プロバイダーへアクセスするにも、10回くらいダイヤルしなければ、つながらないことも多々あります。つながっても、途中で勝手に切れたり、異様な雑音が入るのも普通です。それに、きちんとダイヤルしたはずでも、時々、勝手に間違い電話になってしまいます。コンピュータからダイヤルしてもそうなのです。ですから、もし、日本から電話やファックスをしてくださる時には、すぐにつながらないことや違う家にかかることもあるかと思いますので、どうか根気よくお願いいたします。

☆デング熱が流行っています

10月◎日

 私が今住んでいる首都テグシガルパは、日本の皆さんの予想を裏切り、とても乾燥していて涼しいところなのです。その昔、鉱山で栄えた町に首都が出来たということで、標高が千メートル以上あるからです。でも、私たちがこれからプロジェクトをしようとしているところは、標高が低い、と言いますか、平地に降りるところも多いです。そういうところは、イメージ通り、緯度通りの気候です。逆に山間部へ更に行くサイトもありますが、ぐっと肌寒くなるので、私は少々苦手なのです・・・テグシを出る主要幹線道路の一つは必ず朝夕霧に包まれている道もあります。<o:p></o:p> さてさて、こうして日本と同じ北半球ですから、最近、ずいぶん冷え込んで来ました。なのに、蚊は元気のようで、デング熱が流行しています。デング熱は蚊が媒体となる病気ですが、一週間ほど高熱が続きます。最近では、普通のタイプと死に到ってしまう二種類があるようです。既に死者も出ています。特に抵抗力の弱い子供がかかると大変です。保健省もコミュニティのヘルス・センターなどを中心に、薬の散布やパンフレットの配布をしているようです。テレビにも子供向けに注意を呼びかけるコマーシャルが登場します。<o:p></o:p>先日訪れたテグシガルパ市街の低所得者層居住地区でも薬のタンクをかついだ人が家を回って散布していました。特に水溜りは禁物です!蚊がすぐに繁殖しています。

☆テグシガルパの低所得者層居住地区(写真3)

 テグシガルパはすり鉢のような形で街が広がっています。夜、写真3山頂からの眺めは街の灯が沢山輝いて、きれいなものです。
 でも、ここでは人が住めないような山肌の急斜面に、掘っ立て小屋をいっぱい建てて、山肌に這いつくばるように低所得者層の人々が住んでいます。農村で生活できなくなった人たちも都市部へ沢山流れ込み、このような地区はどんどん拡大していっています。特に、ハリケーン・ミッチの後、更に増加していると言われています。ミッチでは、山肌や川辺りに住む低所得者層の多大な命が奪われてしまったにも関わらず、増え続けています。普通の地区の道1本隔てると、以前にはなかったこうした地区が所狭しと広がっています。

☆マイアミ国際空港での被害

10月6日夜の出来事

 とりたてて、と思っていたので、言い忘れていましたが、実は、往路にて携行品被害が少々ありました。
 中南米行きは、荷物がよくなくなるので、ハードスーツケースででかけましたが、今回は、荷物をいっぱいにしていたこともあり、厳重にベルトもして出かけました。さらに、成田空港で、丈夫なサランラップのようなものでぐるぐるまきにするサービスをしていないか?と尋ねましたが、アメリカ線は(日米間)安全なのでやっていないと言われて諦めました。確かに、シアトルでアメリカ入国のために一旦全部荷物を入管させたときには、何の異常もありませんでした。
ところが、マイアミで初めてやられてしまいました!
 夜10時過ぎの到着ということで、旅客が急いでいるということも考慮した犯行だったかもしれません。荷物を受け取るベルトコンベヤーのところで、いつもよりもやけに長く待たされるなぁ、と思っていました。日本人の方のもので、スーツケースのベルトがひとつちぎられていたのを見つけましたが、そのときには、どこかでひっかかったんだろう、程度にしか思いませんでした。そして、私の二つのスーツケースが無事に出てきました。小さい方のベルトがなくなっていました。しかし、一見何の異常もなく、ただ、二つ施錠している鍵穴の内の一つに大きな引っかき傷がありました。開けようとして開かなかったんだなと思い、そのまま二階に上がり、翌日のフライトのために、ビニールでぐるぐる巻きにしてもらい、空港手荷物預かり所へ預けました。
 翌朝、ベルトが一本なくなったのが少々気になっていたのと、いつもながら、マイアミのチェックインカウンターの人たちは笑顔で応対がいいので、思わず、こういうことがあったよって愚痴ってしまいました。彼女は、何がなくなっているか分からないからバゲージクレームへ言った方が良い、と急に心配顔で言いました。この言葉が当たっているとはその時には思いもよりませんでした。
 テグシガルパまで無事に到着し、無事に荷物も出てきて、ほっとしていました。ところが、実はその夜、荷物整理のために小さい方のスーツケースを開けようとして、おかしいことに気付きました。なんと、開かないのです!暗証番号も「000」に合わされてるので何かやられたんだなって思いました。でも、とにかく、ただ、ただ、開かない!鍵山もすっかりおかしくなっていたのです。何とか、やっとの思いでこじ開けてもらい、今度は中を見て呆然・・・・見事にぐっちゃぐちゃなのです!・・・
 幸か不幸か、現金狙いだったようで、不思議なことに何もなくなっていませんでした。封筒などは破られていましたが、中身はすべて無事。
 これはどう見ても、マイアミ国際空港の貨物担当の組織ぐるみの犯行としか思えません。しかし、泣こうが喚こうが、私は既にマイアミを飛び去り、ホンデュラスにいて、当分帰れない身です。
 これから、渡航される方は、くれぐれも気をつけて欲しいと思います。ベルト一本でも異常があれば、その時には必ずバゲージクレームへ行って事情を話し、少額であっても請求をして、そして、スーツケースを必ず開けてその場で確認することが大切です。スーツケースなんて本来とても頑丈に出来ています。今回は、たまたまペンチで鍵をネジって何とか開きましたが、時間と労力がかかり大変な騒ぎでした。鍵山が完全にやられていたら、普通の大工道具ではスーツケースは開きません。空港ならそういう工具もそろっています。
 いい教訓になりました。でも、私の買ったばかりのスーツケースは既にただの箱と化してしまいました。

☆AICAT Hondurasの活動目的・内容が次のように決まりました。

1 目的:ホンデュラスにおける社会開発の活動を教育に重点をおいて展開する。そして、AICAT Hiroshimaが  めざしている国際協力と世界平和の実現という基本理念に寄与する。

2 実施する活動:
  1)AICATのメンバー国やAICATの活動に興味を持つ国々の大学間における経験と学術文化の交流・交換
  2)下記の分野に関わる研修プログラム: 
    a.自然災害予防
    b.未婚の母や若年層のための技術教育
    c.コミュニティ組織
    d.コミュニティ・リーダーの養成
    e.自助独立
    f.持続的開発
    g.環境教育
  3)研修活動のための教材開発
  4)僻地における就学前教育の強化

活動を行う上での主な目的:
  1)ホンデュラス人の生活の質の向上に貢献する
  2)社会開発のためにコミュニティ・リーダーを育成する機関となる
  3)環境問題を考慮した社会開発の実施に責任を持つ
  4)AICATの目的に合う理念を持つ国内外の団体と連携する

現在、理事メンバーらと、ホンデュラスでのNGO登録に向けて、活動目的、内容、組織、定款などを話し合い中です。