ホンジュラス北部洪水被害者緊急支援活動報告
AICATホンジュラス支部 藤井真裕子
(10月末‐11月初 ホンジュラス北部洪水発生)
2001年10月末、熱帯低気圧ミッシェルの影響で、ホンジュラス北部の海岸部での被害が甚大となる。
家屋倒壊や床上浸水等、最終的な被災者は約50,000人に達したとの報道あり。
(11月5日募金、生活必需物資提供呼びかけ)
上記状況下、11月5日国立教育大学正門前にてAM8時−PM8時の12時間、募金ならびに生活必
需物資提供を呼びかける。急な決定で準備時間が少なかったにもかかわらず、構内に協力呼びかけ
のポスターを貼り、構内放送の協力を得るなど、AICATホンジュラスのメンバーの大部分がこの大学
の教員という利点を生かした活動となった。実際の活動には、AICATホンジュラス全メンバーに加え、
同大学の学生達の飛び入り参加の協力を得て、正門での呼びかけのみならず、授業の合間の教室
での協力呼びかけも行った。その他、通りかかった小学校の教師が活動に賛同、自らの勤務する学
校で募金実施し、その全額を届けてくれるなどの活動の広がりがあった。
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募金風景 |
日本人の私の目から見て、もっとも驚いたのは、募金に気軽に協力する人の多さである。大学の正門
で何度も生徒たちが通りかかるという利点はあったものの、実際通っていく人の70%は何らかの協力
をしてくれた。募金の際、話し掛けてくる人の中には、3年前のミッチ―の時に自分達が受けた厚意の
有難さを思い出すという人もあり、そのような気持ちが高い割合で協力を示す原動力のひとつになっ
ていることを強く感じた。
生活必需物資に関しては、11月5日以降もぞくぞくと届いた。
以下は、今回の活動により、得た協力である。
募金の全額は、より確実に被災者の手に届く様、また洪水以降、衛生状態の悪化による腹痛や下痢
などの病気の蔓延を勘案し、全額薬品に代えることになった。(大人用鎮痛薬、子供用鎮痛薬、腹痛
薬、消毒薬等)
募金総額 ¥63,000‐
AICAT寄付 ¥63,000‐
計 ¥126,000-
(11月11日 生活必需物資仕分け)
引渡しに向け、衣服や食料品など、生活必需物資の仕分けを行った。ごみ袋の大きさのビニール袋
に約20袋となった。
以下は、収集した物資の主な内訳である。
衣類
大人男性用衣類 66
大人女性用衣類 72
子供用衣類 123
靴 10
帽子、バッグ等 5
食料
米、パスタ、調味料、バター、フリホーレス、缶詰、トルティージャ用粉、小麦粉等
(11月16日‐17日 被災地災害対策常設委員会への引渡し)
引き渡し先は、ホンジュラス北部海岸部のラセイバ市のCOPECO(災害対策常設委員会)を選定、ラセ
イバ市のCOPECOを訪問し、AICATより担当者に直接引き渡した。
被害の最も甚大であったのはリマ市であったが、ホンジュラス経済の中心地であるサンペドロデスー
ラ市より距離的に近くアクセスも容易で、既に過剰な援助が届いてる旨の情報を受け、次に被害が大
きく、また物資が十分に届いていないラセイバ市を引き渡し先とした。また、COPECOは、ここテグシ
ガルパにも事務所があるが、テグシの事務所が物資を受けた場合は物資の引渡し先を選べないため、
ラセイバ市のCOPECOに直接持ちこむことにした。
ラセイバ市のCOPECOに物資を持ちこみ、COPECOによる受け取り証明を発行を受けた。引渡し経
路は、AICAT→COPECO→ラセイバの被害が甚大な地区のコミュニティー代表→住民、となる。後日、
追って、どのコミュニティ-にいつ届けられたか、COPECOより報告を受けることになっている。
(全体の活動を通しての感想)
ホンジュラス北部の洪水被害状況が明らかになるとすぐに、募金の場となる大学側と交渉し、募金物
資収集活動を行う段取りをつけ、実行した。この決定→活動の迅速さ、及びその実行力は、今の
AICATホンジュラスが備えている大きな強みであり、今後も維持していきたい力だと思う。
AICATホンジュラスにとって今回がはじめての募金活動であり、最終的な引渡しまで達することが出
来たが、以下は今後に生かしていきたい改善点である。
・募金、物資収集より引渡しまでも期間短縮。
・確実に被災者の手に届くような引渡し方法、経路の検討。
・募金、物資収集活動など、実際人手の要る活動への現メンバー以外の協力者リストの作成と協力呼
びかけ。